2011 年 5 月 1 日 | カテゴリー: FX投資情報 | タグ:

スイス国立銀行(SNB)では4月7日の欧州中央銀行(ECB)の利上げがきっかけとなり、次回6月16日会合で利上げを行う可能性が出てきた。(SNBの政策決定会合は3カ月に1度(年4回)しか開催されないため、次回の会合は6月となる)

スイスでは永世中立国という立場から、地政学的リスクが高まった時の資金の避難先としてスイス・フランが買われる。例えば、2001年に米国で起きた同時多発テロ事件(9.11テロ)や、2003年のイラク戦争開戦時などである。

その後もスイス・フラン買い基調は続き、2011年に入りUSD/CHFでは0.90スイス・フラン台を割り込み0.86スイス・フラン台半ばまで下落し、EUR/CHFでも1.24スイス・フラン台前半まで大幅下落、ともに史上最安値(スイス・フラン高)を付けるに至った。

昨年、SNBは同国の輸出産業を助けるためにユーロ買い介入を実施したが、スイス・フラン高の抑制に効果は見られなかった。スイス・フラン高の影響を受ける輸出業者はスイス当局を非難しているが、SNBは2010年1月から4月までで400億スイス・フラン ( 約3兆5000億円 ) 相当のユーロを購入した。今年の3月には、日本の東日本大震災を受け、USD/CHFが0.8854スイス・フランまで下落(フラン高)した。SNBはスイス・フラン売り介入を実施しても目立った効果を得られなかったが、ECBが金融政策の転換を図り、2008年7月以来となる利上げを実施したことでEUR/CHFは1.31スイス・フラン台前後まで戻し、USD/CHFでも0.91スイス・フラン台まで戻した。

スイス国内では景気の回復や堅調な個人消費、そして不動産市場の好調さも加わり、2009年3月以来0.00-0.75%の低水準に据え置かれている政策金利の利上げの可能性が指摘されている。スイスの金利先物では9月の利上げを完全に織り込み、更に6月の利上げも織り込み始めている。スイス・フラン高がECBの利上げをきっかけに落ち着けば、国内経済の強さを背景とした利上げが見込める。

ただ利上げに踏み切れない理由があり、「通貨高」である。スイス・フランは主要通貨に対し上昇傾向を続け、USD/CHFは今年4月に0.8669スイス・フランの最安値(フラン高)を記録し、EUR/CHFでも昨年12月に1.2401スイス・フランの最安値(フラン高)を記録後、1.29スイス・フラン台前半の低水準で推移している。(ともにFX業者の参考Bid値で計算)金利引き上げは企業の借り入れコストの負担となり、また輸出国であるスイス経済の低下を招きかねない。

同国の良好な経済と通貨高の狭間で、利上げ時期を模索していると思われる。

2011 年 5 月 2 日 | カテゴリー: テクニカル分析 | タグ:

ボリンジャーバンド(日足)では、センターライン(21日移動平均線)が上昇傾向にあり、実勢レートが2σラインに絡む形で上伸していること、一目均衡表(日足)で、遅行線が陽転継続し、実勢レートの上方に位置していること、実勢レート、転換線、基準線の順に位置していること(上昇トレンドのパターン)、オシレ―ター系指標ストキャスティクス(スロー)で、%Kスロー、%Dスローが買われ過ぎの判断基準である80%以上を推移しているものの、依然としてユーロ買いシグナルが点灯継続中であることなどから、ユーロの堅調な展開が予想される。

レジスタンスライン
1.5140(2009/12/03高値)

サポートライン
1.4501(一目/DAY/基準線)
1.4438(21日移動平均線)

2011 年 5 月 2 日 | カテゴリー: FX投資情報 | タグ:

今週前半はイースター休暇明けで、米連邦公開市場委員会(FOMC)の金融政策決定会合とFRB初となる議長の記者会見に注目が集まり、ポジション調整と様子見ムードが先行した。ただ米国の企業決算が良好で米国株が上昇、投資家のリスク許容度が拡大したため、資源国通貨が上昇し、米国債利回りの低下で金利差を背景とした米ドル安の流れが継続した。

また、米格付け会社スタンダード・アンド・プアーズ(S&P)が米国に続き、日本の格付け見通しを従来の「安定的」から「ネガティブ」に引き下げたと伝わった。東日本大震災や福島原発事故を受け、その復旧・復興費用が日本の財政を予想よりも悪化させる懸念が背景にある。「ネガティブ」の見通しは、財政悪化に歯止めをかける財政再建策が打ち出されず、今後2年間に財政が現在の見通し以上に悪化した場合は、格下げとなる可能性があることを示している。通常、格下げされた通貨は売られることになるが、日本国債が国内で消化できている以上、格付け引き下げの影響は限定されるとの見方もある。それでも現状では、世界的な株高も加わり対円通貨での円売り圧力は継続している。

注目された米FOMC声明や議長の記者会見では、インフレ加速は一時的なものになる可能性が高いとの認識を示した。また、刺激策の解除がいつになるのか不明だとも述べ、6000億ドルの米国債購入プログラムが6月で終了した後も、保有証券の償還金の再投資については6月以降も継続する方針を明らかにした。結果的にFOMCは依然として緩和政策が必要であると受け止められ、低金利政策の継続が意識されることになり、ドル売り優勢となっている。今後の焦点は「定期的な資産購入プログラムのペースを定期的に見直す(3月声明)」から、「保有資産の規模と構成を見直す」に変更されたことから、FRBの資産の償還分の再投資の停止とその時期が何時になるのかということや米長期金利の動向になろう。また日本の金融政策は想定の範囲内であることから相場への影響は限定的と見ている。来週も引き続き世界的な株価が堅調であれば、投資家のリスク選好的な動きが強まりクロス円の上昇が先行する可能性がある。ただ週末(6日)に米雇用統計を控え、日本が連休となるためドル円相場の値動きは限定されるとの見通しもある。

今週発表された米国の4月コンファレンスボード消費者信頼感指数が65.4と、予想(64.5)より強い結果となった。その内容で職が十分にあるという回答から、職が不足しているという回答を差し引いた数値は3.2ポイント上昇し、-36.6と2009年1月以来の水準を記録した。歴史的に見ると依然低い水準だが、今のところ来週の4月の米雇用統計に向け僅かに期待が持てる結果となっている。

余談だが、日本は連休でも為替市場は取引されている。外出の機会が増え、相場に目が届かないケースが増えると思われるため、取引上のリスクには十分注意して頂きたい。

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